見た目は良くないけど…実は栄養満点な“血合い”

血合いってどの部分のこと?

スーパーの陳列棚に並んでいる魚の中には、血合い部分が含まれたものも多いです。血合いとは、マグロをはじめとする回遊魚が持続的に泳ぐために必要な、筋肉のような部分となっています。魚の背身と腹身の間にあり、三枚卸しにすると赤黒い部分が中央にくるのが特徴です。
血合いは苦手に感じている方も多く、調理の時点で切り落として捨ててしまう方もいるかもしれません。実際に、寿司や刺身で使われる魚は血合いを取り除いたものが多いです。血合いは鮮度が落ちやすく、新鮮さが重要な寿司や刺身では、少しでも鮮度を維持するために取り除く必要があります。

血合いの多い魚は栄養が豊富

血合いが含まれる魚は選ばない方が良いのかというと、決してそうではありません。なぜなら、血合いが多い魚には鉄分やビタミンB群などの栄養素が豊富だからです。
筋肉のような役割を果たしていたことで、血合いは他の部位よりも脂質が低く低カロリーで、高たんぱく質となっています。特にたんぱく質は、人間の筋肉や臓器の体作りをするために必要不可欠な栄養素です。
また、血合いはその名の通り血液が集中している部分でもあるので、貧血気味の方や鉄分が不足気味の方などにもおすすめです。その他、疲労回復や体の調子を整えるビタミンB群、血糖値の維持に重要となるグリコーゲン、体の機能を支えるタウリンなども含まれます。

下処理は十分に

栄養素が豊富とは言え、血合いの部分は鮮度が落ちると黒ずんできたり、生臭さが強くなったりと、独特なクセが気になる方もいるでしょう。そこで重要となるのが下処理です。
血合いの下処理は塩を使う方法と水に浸ける方法の2種類があります。塩を使う場合は、血合いの部分を流水でよく洗ってから水分を拭き取り、塩を適量振って20~30分置いた後、再度洗い流す方法です。水に浸ける場合は、水をたっぷり入れたボウルに魚を浸けて、15分置きに水を代え、3時間経過したら水分を拭き取る方法です。
ただ、塩を使うと血合いの癖が取り切れないこともあり、水に浸ける方法は魚本来の旨味まで失われてしまう可能性があるなど、どちらの方法にも欠点があります。水を入れたボウルに魚を浸けてから、1時間経過したら取り出して水分を拭き取るようにすると、魚のクセだけを取り除くことができるでしょう。
魚の血合い部分は敬遠されがちですが、正しく下処理できれば美味しく栄養素を補うことができます。比較的安く購入できるので、賢く使ってみてはいかがでしょうか?

いけすを見ながらイカの活造りを楽しめるお店

SNSでもご購読できます。